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感 情   

感情をコントロールできるようになることが大人になることだと思っていた。
しかし、私がしてきたことは感情のコントロールではなく、ネガティヴ(否定的)な感情の抑圧だったことに気づいた。感情の抑圧と病気が深い関係にあることを学んだ。

悲しみや怖れ、不安、怒り、憎しみ、孤独感。こうした心に痛みをともなう感情が溢れてくると、私はすぐ前向きな思考、肯定的な思考に切り替え、
ネガティヴな感情を感じることから逃げ回った。
それらの感情は、決して前向きな思考によって消されたわけでも、癒されたわけでもなく、心の奥底に澱のように沈殿していただけだった。

「感情は、喜びであれ悲しみであれすべての心の事実。自然現象と同じ。だからどんなネガティヴな感情であっても、その感情に気づき、感じつくしてみれば薄れてゆくし、過ぎてゆく。その感情が癒されたときには、新たな意味が生まれることさえある。ネガティヴな感情を排除しよう、なかったことにしようと、自分の本音に蓋をしてしまうと、その感情はいつまでも心の中に滞ってしまう。怒りや悲しみや恐れや喜びの感情を豊かに触れて、自分の感覚や感情という”事実”を生きる手がかりにしていると、自分を見失わずに生きていけるよ」

こういってくれる人に出会えたとき、心の中にあった腫瘍(しこり)が溶けてゆくのを感じた。
夢の中でさえ、本物の涙が流れるほど、あらゆる感情は大切な大切な私の心そのものだった。


自 立

 自立した生き方を目指して生きてきたら、いつのまにか人に弱さを見せられないようになり、人とつながれない自分になっていた。

 自立とは、自分の意思で選択し、行動し、その結果を自分で引き受けるという生き方ができること。同時に、自分をゆだねたり、甘えたり、頼ったり、相手のそういう部分も受け入れられる関係性の柔軟さを楽しめること。

 自立とは、お互いの世界を大切にしながら、共に成長しあう関係性を創りつづけてゆくこと。愛と信頼を深めながら、重くならず軽く立っていられる関係性を築いてゆくこと。

 自立とは、ひとりでも生きてゆく力を身につけながら、人はひとりでは生きていけないことを心とからだの芯から感じとること。「自由と孤独」「愛と憎しみ」が背中合わせにあることを知り、臆病になってしまったとしても、なおもう一度、真から人と一緒に生きていこうという気持ちが湧き上がるのを静かに待てる自分になること。

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