感 情
感情をコントロールできるようになることが大人になることだと思っていた。
しかし、私がしてきたことは感情のコントロールではなく、ネガティヴ(否定的)な感情の抑圧だったことに気づいた。感情の抑圧と病気が深い関係にあることを学んだ。
悲しみや怖れ、不安、怒り、憎しみ、孤独感。こうした心に痛みをともなう感情が溢れてくると、私はすぐ前向きな思考、肯定的な思考に切り替え、
ネガティヴな感情を感じることから逃げ回った。
それらの感情は、決して前向きな思考によって消されたわけでも、癒されたわけでもなく、心の奥底に澱のように沈殿していただけだった。
「感情は、喜びであれ悲しみであれすべての心の事実。自然現象と同じ。だからどんなネガティヴな感情であっても、その感情に気づき、感じつくしてみれば薄れてゆくし、過ぎてゆく。その感情が癒されたときには、新たな意味が生まれることさえある。ネガティヴな感情を排除しよう、なかったことにしようと、自分の本音に蓋をしてしまうと、その感情はいつまでも心の中に滞ってしまう。怒りや悲しみや恐れや喜びの感情を豊かに触れて、自分の感覚や感情という”事実”を生きる手がかりにしていると、自分を見失わずに生きていけるよ」
こういってくれる人に出会えたとき、心の中にあった腫瘍(しこり)が溶けてゆくのを感じた。
夢の中でさえ、本物の涙が流れるほど、あらゆる感情は大切な大切な私の心そのものだった。
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